大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)743 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を仙台高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人鈴木右平の上告理由第三点について。

原審は、本件の取引の衝に当つたのは訴外Dであり同人は設立登記に至らなかつ

た所論会社の名義で被上告人と本件取引を行つていること並びに同人は右会社代表

者社長Aと記載した名刺を使用しその使用について上告人Aの承諾をえていること

が認められるので、右取引は上告人と右Dとが共同してなしたものと認むべき旨判

示した上、被上告人がりんごの売買を業とする者であることは当事者間に争がなく、

従つて本件取引は商行為であるから上告人らは連帯して本件取引による債務を履行

すべき責任がある旨判示したことは所論のとおりである。ところが、記録を精査す

るも、被上告人において被上告人がりんごの売買を業とする者であることを主張し

上告人においてこれを認めた形跡がないばかりでなく、たとえ被上告人が商人であ

るとしても、単にそれだけの理由で本件取引が債務者のためにも商行為であるとし

て上告人及びDの両名が連帯して本件取引による債務を弁済する義務あるものと解

することは許されない(商法五一一条参照)。そうすると、上告人及びDの両名が

連帯して本件取引による債務を弁済する義務あることを前提として上告人に対し本

件取引による残代金全額の支払を求める被上告人の請求を認容した原判決は審理不

尽ないし理由そごの違法あるものというほかなく、原判決は、その余の論旨を審究

するまでもなく、この点において破棄を免れない。そして、本件はさらに審理を尽

すため、原裁判所に差し戻すべきである。

よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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